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イケメン戦国/偽りの君

第26章 顕如 討伐作戦☆秀吉&家康


『だから…どうしてあんたって会う度に…。』

家康は、苛立ちながら歩み寄ると、

『隣の部屋に布団を敷かせてますから運んで貰えますか?』

と秀吉に頼む。秀吉が頷き、あきらを横抱きにして布団の上に寝かせた。

あきらの苦しそうに歪む顔に汗が滲んでいる。

『ここは俺1人で大丈夫です。2人は仕事に戻って下さい。』

心配そうな顔で2人が部屋を出て行くのを確認すると家康があきらに言う。

『怪我、確認したいから 着物の前、開くよ。』

ピクッとあきらの肩が揺れたが、気にせず帯をほどく。
合わせを開くと、サラシを巻いた胸が見えた。
ん?なんでサラシなんて巻いてるんだ?と気にはなったが、今は怪我の確認をしなくては。

(…みぞおちに青アザが出来てる。)

『ここ、痛い?』

そっと家康が触れると、うっ!とあきらが呻く。

『相当 強く殴られたんだね。じゃ、ここは?』

次に、縄で縛られていたのであろう手首と足首を触る。
擦れて薄皮が剥けているようだ。
ぶんぶん、とあきらが頭を左右に振る。
痛くない訳がない。我慢は出来るってことか…。

『じゃ、背中側見るから、ちょっと横向ける?』

ゆっくりと身体を横向きにし背中を押す。こちらも青くなって、ところどころ擦り傷や切り傷が出来ている。
家康は傷の消毒をして薬を塗り、丁寧に布を巻いていった。

時折、いたっ!染みるっ!と聞こえるあきらの声を聞き流しながら。

『…はい、終わったよ。』

『ありがとう家康。いつも…ごめんね。』

申し訳なさそうに礼を言うあきらに家康が答えた。

『別に。謝らなくていいんじゃない?結果的に信長様も助かったし、顕如も捕まえられたんだから。
あんたは余計なこと考えないで安静にしてること。いい?』

はい、と頷くとあきらが目を閉じる。
暖かい手が、その額に触れた。

『熱は そんなにないみたいだね。』

そのまま そっと髪を撫でられる。
驚いて目を開けると、家康が優しく微笑んでいた。
家康も こんな優しい顔で笑うんだ…そんなことを考えていたら、眠気が襲ってきた。
そういえば、全然寝てないんだっけ…。
あきらが うとうとしだす。

『眠ってれば。怪我を治すには睡眠が1番だからね。おやすみ、あきら之丞。』
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