第25章 顕如 討伐作戦☆信長&三成
『今、秀吉達の部隊が追っている。捕まるのも時間の問題だ。
そんな事 気にしなくていい。貴様は二度と自分の命を粗末にするような振る舞いをするな、解ったな。解ったと言うまで離さん!』
『は…い、解りました。』
信長の腕の中で真っ赤になる顔を隠しながら そう言うと、ゆっくりと信長が腕を解きあきらを解放した。
三成が横から、そっと着替えの着物を渡す。
『申し訳ありません。私が至らなかったばっかりにあきら之丞様を こんな危険な目に合わせてしまいました。』
辛そうな顔で謝る三成に、
『三成くんのせいじゃ無いよ。』
『貴様のせいでは無かろう。』
信長と声が重なり、思わず顔を見合わせた。
『信長さま、三成くん、皆さん、ご心配をお掛けして すみませんでした!以後、気をつけます。』
床に頭をつける程お辞儀をしながらあきらが詫びる。
とにかく無事で良かった、と家臣達も安堵の表情を浮かべた。
… … …
『信長さま、伝令でございます!』
早馬を掛けて秀吉の家臣がやってきたのは、それから少しした頃だった。
手にした手紙を信長に渡すと脇に下がる。
信長は手紙を広げて素早く目を通し、ニヤリと笑った。
『秀吉が顕如一味を捕らえた。既に城へ向かっているとの事だ。俺たちも急ぎ戻るぞ。』
信長が羽織を翻し馬へ飛び乗る。
信長一行も、安土城へと ひた走るのだった。