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イケメン戦国/偽りの君

第25章 顕如 討伐作戦☆信長&三成


一方その頃、信長達は廃寺に辿り着いた。
鬱蒼とした森の中にあり、ぱっと見 建物があるのは解らない。
隠れるには丁度良さそうだ。

『こんな所に廃寺があるなんて、凄い偶然ですね。』

と驚く私に、信長が言う。

『貴様は相変わらず阿呆か。偶然な訳なかろう。
これも三成の作戦の1つ。あやつは安土一の切れ者だ。
ここら一帯の地図は完璧に頭の中に入っているだろうな。』

『え!?』

…今は阿呆と言われた部分は置いといて、と。

あの三成くんが切れ者!?いつもニコニコしてて、まわりにお花が咲いてるような、あの三成くんが!?
あきらが目を見開いて黙ると、信長がくいっと顎で指した先に三成がいる。
数人の家臣と話す三成の横顔は怖いほどに凛としていて、別人のようだった。
そして、その横顔を とてもカッコいいと思った。
その視線に気付いたのか、クルリとこちらを振り向いた三成が、いつもの笑顔でニッコリと笑っていた。
目が合ったあきらは、恥ずかしくなって咄嗟に目をそらす。

『信長さま、私、ちょっと紅の様子を見てきます!』

そう言い捨てて走り出す。

『おい、あまり1人で動くな!』

信長に何か言われた気もするが、気にせず外に出る。
外には馬達が並んで、木に繋げられていた。

『ねぇ紅、私の顔も紅いよね。』

紅は 何のことかという目で こちらを見つめている。
三成くんにドキドキするなんて。彼は、何も知らない私に とても良くしてくれる、同僚のような存在なんだから。
あきらが自分に言い聞かせて馬の側を離れようとした時、紅がヒヒーン!と一声 嘶いた。
驚いて振り返るあきらの みぞおちに、鈍い痛みが走る。

『ぐっ…。』

そのままあきらの意識は遠のく。
その体を肩に担ぐと、静かに黒装束の男が暗闇に消えた。
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