第15章 女だから☆佐助
『信長様達も戦の準備を進めてるみたいだけど…。』
『うん、知ってる。そして無関係じゃない。あきらさんに初めて会った時、俺が一緒にいた武将達、憶えてるかな?』
確か武田信玄と上杉謙信…幸村もいたっけ。
『武田・上杉の軍は、信長軍が顕如討伐に気を取られている この機会に着々と軍勢を集めている。下手したら三つ巴の激しい戦いになるかもしれない。』
平和ボケしたあきらには、佐助の言葉が、まるでおとぎ話のように聞こえ全然頭に入らない。
『あきらさん、どうかこれだけはしっかり聞いて。』
佐助があきらの目を見つめる。
『戦になったら必ず誰か強い武将と一緒に行動する事。そして…出来れば女性だとばれないようにした方がいい。ややこしいことになる気がするからね。…おっと、もう時間みたいだ。それじゃあきらさん、また。』
そう言って佐助は音もなく天井裏へと帰って行った。
『私、3ヶ月も耐えられるかな…。っていうか命あるかな。』
あきらは、みるみる青ざめる顔で呟くのだった。
〜その頃、天井裏の佐助は。
あきらさん、君は必ず俺が現代に帰す。いや一緒に帰ろう。
本当ならこのままさらって行きたい。しかし、この気持ちは なんなんだろう?と佐助は初めて知る感情に戸惑っていた。