第56章 愛しい☆光秀
あきらの顔を覗き込んでいる光秀の目が、大切な物を愛でるように優しく細められた。
ゆっくりと光秀が話し出す。
『ああ、もちろんだ。お前の事は一挙一動 覚えている。おっちょこちょいでしょっちゅう怪我をしている姿、小さな仕事も手を抜かず真面目にこなしている姿、か細い体で刀を振り回している姿…。』
そして、ふふっと笑う。
あ、光秀さんも思い出し笑い?
『何もかもが俺にとっては愛しい思い出なのだ。』
そう言うとあきらを後ろから抱き締める。
『そんなに大した事じゃ無い…ですよ?』
あきらが頬を染めながら答える。
『お前にとっては大した事で無くとも、お前のお陰で救われた者がたくさんいる。そう、この俺もな。』
そっとあきらの顔を後ろに向けると、光秀がその唇を掠め取る。
口づけは どんどん深くなり、あきらの口から切ない声が漏れた。
『…っはあっ!』
『もっと色んなお前を知りたい。…いいか?』
震えながら小さくあきらが頷くと、光秀は飽きるほどに その体を愛で続けるのだった。