第55章 愛しい☆三成
平和な現代から、戦が普通の時代に飛ばされた。
三成くんは素性も解らない私に、いつも笑顔で話しかけてくれて、なにかと助けてくれて…すごく嬉しかった。
それに三成くんと話してると、なんだかあったかい気持ちになれた。
『三成くんといるとあったかい。なんかカイロみたいだね。』
『カイ…ロ?』
あ、そっか、この時代には もちろんカイロなんてないよね。
『えーっと、この位の大きさの袋に…』
あきらが両手で四角を作ってみせる。
『鉄の粉が入ってて、振ったり揉んだりすると凄く暖かくなるの。持ち歩ける火鉢…みたいな?』
『へぇー!あきらさんのいらした時代は凄い物があるのですね。つまり、外でも暖が取れるということですね。感服致しました。』
予想以上の反応にあきらが少し笑った。
『ま、もちろん私が作った訳じゃ無いけどね。
この時代は寒いもんねー。』
何の気なしにそう呟くと、ほんのりと体が暖かくなった。
三成に抱き締められていたのだ。
『三成くん?』
驚いてあきらが尋ねる。
『確かに寒いですね。だから私が、そのカイロ?とかいう物になります。
寒い時はいつでも私を呼んでください。
…おや?せっかく湯浴みしたのにもう冷えていますね。』
そう言うと、ドサリとあきらの体を畳に押し倒した。
『み、三成くん?どうしたの?』
『あきらさんを暖めようと思って。』
艶やかに笑い着物の合わせをゆっくりと開く。
『ダメ…あっ!』
三成の唇が肌の上を這うように滑る。
『これが愛しいという感情なんですね。あきらさんといると、色んな初めてが体験出来て楽しいです。』
あきらは三成の暖かい温もりの中に溺れて行くのだった。