第8章 出会い☆家康・三成
『別に頑張らなくてもいいけど?無理して迷惑かけられると困るしね。』
家康って毒舌家だな…とあきらがダメージを受けていると、
『家康さまは お優しいのですね。家康さまのおっしゃる通り、どうぞごゆっくりなさって下さいね。』
と、三成の噛み合わない会話が飛び交う。
盛大に溜息をついた家康が、
『はぁー。三成には何言っても通じないから もういいよ。言っとくけど、俺は あんたと馴れ合う気なんてないから。
それに、何?そのヒョロヒョロの弱そうな体。ちょっとは鍛錬した方がいいんじゃない?』
と、あきらの体をチラッと見やる。
『あきら之丞は子供の頃から体が弱くて寝込みがちだったそうだ。そのせいで、あまり激しい運動も出来ないらしい。
しかし、さすがに細いか。』
秀吉もあきらの体を見る。そんなに見られると恥ずかしいんだけど…。
『そうだ!家康、弓の稽古でもつけてやったらどうだ?』
秀吉さんの問いに
『はぁぁぁぁ?』
と家康が素っ頓狂な声をあげる。
と、三成も、
『それはよろしいですね。弓は力もいりますが、女子でも出来ますし、それであきら之丞さまが元気になられたら私も嬉しいです。』
素で嬉しそうに笑っている三成を もう一度睨んでから家康が答えた。
『解りました。でも手加減しませんから。あんたも そのつもりでね。』
こうして、本人の意思をすっかり無視して、家康に弓を習う事になったあきらだった。