第54章 愛しい☆信長
『あぁ…そうですよね、すみません。私が風邪引いたら他の人にも迷惑かけちゃいますもんね。』
あきらが申し訳なさそうに下を向く。
『まあ、そうだな。もし俺以外に移したら、そいつの首が飛ぶかもしれんからな。』
迷惑の度合いが凄すぎる!
『移るということは、それだけ近くにいるということだ。
…想像しただけで胸くそ悪いな。』
そう言いながら信長があきらを抱き締めた。
『わっ!信長さまが濡れてしまいます。』
『構わん。』
そう言うと、一層強く抱き締める。
暫く抱き締めた後、そっとあきらを床に押し倒した。
『貴様といると退屈せん、と前に言ったが、
…違うな。
貴様といると、俺は喜びを感じる。
こんな感情は初めてで困惑しているがな。』
おもむろに指を絡ませあきらの唇を舌先で弄ぶ。
『あっ…。』
思わず儚い声が漏れる。信長の頬は赤く染まっていた。
信長さまが照れて…る?
首を傾げるあきらを熱い眼差しで見つめていた信長の舌が、あきらの唇を押し開き激しく暴れ出す。
『信長…さま、やめて…下さい。』
そう言いながらも、もうあきらには抗う術が無い。
『断る。貴様の全てで俺に愛しいとは何かを教えろ。
俺が理解するまで、ずっとだ。いいな。』
『は…い。』
あきらは、そう返事をするのがやっとだ。
信長は飽きることなく、あきらを味わい続けるのだった。