第53章 愛しい☆政宗
『私も詳しくは解らないんだけど、ワームホールっていう穴みたいな物が出来て、
この時代と500年後の時代が繋がって…私は飛ばされたみたいなんだ。』
そんなの作り話だろ、って笑われるのがオチだな。
唇を噛んで黙り込む。
『それ、本当か!?面白いな!色々と話、聞かせろ。』
新しいオモチャを見付けた子供のように、政宗の目がキラキラと輝いていた。
『えっ!?信じて…くれるの?』
『当たり前だろ。お前みたいに真っ直ぐで、要領の悪い奴が嘘なんてつけるはず無いからな。』
褒められてるんだか、けなされてるんだか微妙だけど、信じてくれて嬉しい…。
『とはいえ、まずは こっちだな。』
政宗があきらの顎を掬うと深い口付けをした。
『んっ…ふっ…!』
合間に息継ぎをするように、あきらの吐息が漏れる。
なぞるように政宗の手があきらの腰の辺りを這い、そのまま横抱きにする。
ザバッと湯船を出ると、脱衣所へと向かう。
『湯の中で のぼせられたら困るからな。』
政宗が床に着物を広げた。
『政宗?何やってるの?』
『悪いな、部屋まで もたねぇ。』
着物の上に そっとあきらを降ろすと、その上に跨り政宗が呟いた。
口付けの嵐の後、あきらは全てを政宗に食らい付くされるのだった。