第52章 愛しい☆秀吉
『ひっ…でよしさん?何を…。』
上擦った声で。あきらが尋ねる。
『お前の傷を ねぎらってるんだ。』
答えながら、あきらについた擦り傷や青痣の上に唇で触れる。
『んっ…。』
痛い…?違う、熱い。秀吉の唇が触れる度、触れられた部分が熱を持つ。
あきらの着物は すっかり肩から滑り落ちていた。
露わになった胸の頂きにも唇が触れる。
『あっ!』
あきらの口から甘やかな声が漏れる。
『あきら之丞、痛くないか?』
ふるふると赤い顔のあきらが首を振る。
『あきらと…呼んで下さい。本当の名前…です。』
『解った。あきら?』
名前を呼ばれただけで、体の奥が疼くようだ。
『もっと良く傷跡が見たい。湯に浸かると 傷に染みるか?』
『少し…でも、もう きっと大丈夫です。
体が熱くて…痛いの解らないと思います…。』
そう答えると、秀吉が艶やかな笑みを見せる。
そしてあきらの体に縋るように残っていた着物を取り去った。
素早く、自らも着物を脱ぐと、あきらを抱いて湯船に向かう。
そのまま ゆっくりと湯船に体を沈め囁いた。
『もう大人の我慢も限界だ。』
湯殿には、暫くの間 二人の吐息だけが こだました。