第51章 愛しい☆家康
のぼせてるのは、きっとお湯にじゃ無い…。
そう思いながら家康の着物をギュッと掴む。
『…っていうか家康、着物、着たままだってば!』
『うん、解ってる。あきらに会ったら脱ぐ時間も惜しくて着たまま入っちゃった。』
そう言うと先程よりも長い口付けを交わす。
どんどん深くなる口付けにあきらが身じろぐ。
『んっ!でもっ…着物!脱がなきゃ駄目になっちゃうよ。』
必死に家康の唇から逃げながら言う。
家康は、そうだね、とだけ言うと湯船の中でガバッと着物を脱ぎ捨てた。
『えっ!お湯の中で脱いだら意味無いんじゃ…。』
唖然として見つめるあきらを、鍛えられた家康の体が抱く。
そして湯の中でそっと、あきらの長襦袢の紐を解いた。
『体洗うのに、これは邪魔だよね。』
『あっ…。』
首筋に、胸の膨らみに、家康の唇が吸い付く。
その度に甘い声が漏れた。
『あきらって、なんか甘い。』
『はぁっ…家康もだよ。』
『…こんなに誰かの事を愛しいと思ったのは初めてなんだ。
だから甘いんじゃない?』
そう言って見つめ合うと、二人はそのまま溶けるほどに愛し合った。