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イケメン戦国/偽りの君

第45章 あなたの為なら☆光秀


あきらも辺りを確認しつつ天幕の中に戻る。

信長達は、ひとところに集まって開いていた作戦会議が終わり、各々散らばり始めた。

信長さまを暗殺しに来るとしたら、本人の側にいれば阻止出来るかもしれないって事だよね。
さり気無く信長の近くに寄ると声を掛ける。

『信長さま、出陣は いつ頃なのでしょう?』

『ん?あきら之丞か。あと四半刻したら立つ。』

しはんどき、って事は30分後位か。

『あの、私も同行させて頂けませんか?』

信長に嘆願すると、

『ほう、あれほど戦を嫌がっていた貴様が前線に出たいだと?』

冷たい視線に見下ろされ、あきらの喉がゴクリと鳴った。
暫く そんなあきらを凝視していた信長だったが、

『よかろう。ならば俺の役に立て。』

表情を変えずに言い捨て去って行った。
取り敢えず良かった。急いで支度しよう。


… … …


四半刻程過ぎ、信長一行が本陣を出立する。
佐助からの連絡は、まだない。
ほんの30分位じゃ、そりゃ無理か…。
信長の右後ろで馬に跨り、あきらは辺りを警戒する。
こんな暗闇じゃ何処から狙われてもおかしくない。

ぽとっ。

何かが、手綱を握る手の間に落ちた。

何?

見ると、飛行機の形に折った紙がある。
そっと開くと一文だけが書かれていた。

(この先に光秀の姿あり)

これ、佐助くん!?何処から投げたの!?
それより、少し先に光秀さんがいるって事?
このまま進んだら…。

『あのー、信長さま?』

『なんだ。』

『少し休憩でも…しませんか?』

『なんだと?』

横を向く信長が、心底 呆れた目であきらを見る。

『つい今しがた陣を出たばかりだが、貴様のそれは冗談か?
それとも俺を おちょくっているのか?』

『め、滅相も無い!最近 占いに凝ってるんですが、この方角は凶相のようで…。』

しどろもどろになりながら答える。
信長が「はぁ。」と溜息を吐く。

『要領を得んな。要するに貴様は何か知っているのだな。』

信長さまって聡いなぁ。嘘はつけない。

『実は この先に…。』

『信長さま!あれをご覧下さい!』

言葉の途中で秀吉が叫ぶ。
二人 同時に指差された方を見ると、既に誰かが戦っているのが見える。
水色桔梗紋の旗印。あれは…。
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