第10章 【三成 ~準備編~】
麗亞の身体をあちこち確認して何処も怪我をしていないか見る。
「ううん・・私こそゴメンね、竹刀なんかで斬りかかって。三成君があまりにも集中してるから、曲者が出たら斬られちゃうんじないかつて心配したけど、私の心配し過ぎだったみたい。ちょっと私命知らずな事しちゃったみたい。」
てへへと引きつった笑みを浮かべる麗亞に三成は思わず抱きしめた。
「みつな・・りくん・・・」
三「麗亞様を斬らなくてよかった・・・。光秀様が居なければ今頃・・・。」
「だいじょぅぶだから・・・。ね。」
思わず三成君の頭にそっと手を回し撫でる。
三「それより、麗亞様何か御用があったのではないですか?」
そう言われはたと気づいた麗亞は文机に乗せておいた書簡を三成に渡した。それと風呂敷で包んだ羽織も持ってきて三成へ手渡した。
「これ、頼まれていた羽織だよ。ちょっと着て見て。寸法とか修正が無いか見たいから。」
そう言うと羽織を広げた。
三「わぁ・・・素敵な色合いですね。では・・・。」
そう言うと、今の羽織を脱いで、麗亞が広げた羽織に袖を通した。
麗亞は慎重に肩や背中、首回り着丈から袖丈をチェックする。
「うん、ちょうどいいみたいね。どう?三成君?」
三「見た目より軽くできているのに温かいし、縫製も丁寧に仕上げられていてとても素敵です。麗亞様素晴らしいです!こんな素敵な羽織を作っていただいて。本当にうれしいです!」
超絶艶やかな天使のスマイルを向けられ、思わずクラっとした麗亞。
(あぁ・・・三成君眩しいよ、その笑顔。)
「こちらこそありがとう、そんなに褒めてもらえるなんて、作った甲斐があるよ。」
そんなやり取りをしていた時ふと、部屋の隅に高く積まれている薄手の本?のようなものが目に留まった。
「三成君?あれ・・は?」
麗亞が指さした先のモノを見ると三成は
三「あぁ・・・これですね・・・。」
そういうと一つ手にして持ってきた。
見るとその本には中に簡単なひらがなやカナなどがかかれている。
「これは・・?」
三「子供達への贈り物にしようと・・・。文字を勉強する教本を作っていたのです。でも子供達が喜ぶものかはわからなくて・・・。」