第7章 【徳川家康・準備編 下】
佐「あぁ、家康さんに俺が勉強を教える日が来るなんて・・・」
ううっ・・と感無量になっているであろう佐助に家康が冷たく言い放つ。
家「それはいいけど続きを話しなよ。」
佐「あ、そうでした。それでですね、その混ぜた液体をこれを竈でじっくりと煮詰めます。そして煮詰めた後、そのまま外に放置して冷まします。すると鍋の中に結晶と言って、その水の中にあった物質が粒になるんです。 要は海の水を煮詰めて塩にするみたいなそんな感じです。」
家「成程ね・・・。」
佐「これをもう一度溶解・・溶かしてさらにまた再結晶化するとより純度の高い精製された「硝石」というものになります。」
硝石の状態の結晶を取り出し二人に見せる。
「へぇ~こんな白い物になるんだ・・・。」
佐「それに硫黄というものと、炭を混ぜると黒色火薬というものになります。」
「硫黄って知ってる、温泉とかの匂いの元なんでしょ?」
佐「そうです、硫黄は原子番号 16、原子量 32.1 の元素で、元素記号は Sで酸素族元素の一つです。主に硫黄はさっき麗亞さんが言っていたように温泉地帯の山や火山の近くなどから算出される物質です。」
家「げんそばんごうとか じゅうろくとか えすとか?何を言っているかわからないけど、硫黄は確かに各地の火山で産出されている。」
「はぁ~元素番号とか覚えたけど全然忘れちゃったよ~流石佐助君だよね。そういうの強いって。」
2人だけに分かる会話をしてい事にちょっとイラっとした家康だが、とりあえず先を聞きたいので話を促した。
家「で、それが今回のここに居る事と何の関係があるの?」
佐「そこですよ家康さんよく聞いてくれました。この倒木の松や枯れた松から松ヤニという、樹液みたいなものを採取するんです。その松ヤニを燃やすと・・・」
竹筒に入っていた松脂に火をつけ燃やし、その上に木の器をかざすと、黒い灰みたいなものがついた。
佐「これが油煙と言って松ヤニを燃やした時に着く脂の煙です、コレをこうして・・・。」
先程の余った藁にその油煙を塗りつける。そしてまた違う黒い粉も一緒にこんもり塗り付けた。
「これなに?」
そうして佐助は黒い方を下にして、わらの一番上を麗亞に持たせる。
佐「動かさないでそのまま持ってて。」