第6章 【猿飛佐助・暗躍編】
裏山で取って来た枯れ草や木を庭で燃やし。そしてもう一方では竈(かまど)で湯を沸かした。
借りた民家の床下の土を集め出す。
佐「これくらいでいいか…。」
そうして、沸かしておいて少しさました温湯を土の入った桶に入れ混ぜる。混ぜてしばらくしてから、その桶の上澄みを取り出す。
佐「後は庭で煮詰めるか・・・。」
庭に設置しておいた簡易の竈で先程の上澄みの液体に庭で燃やしていた草木灰をまぜたかと思うと。それを火にかけて煮詰めだす。
そんな地道な作業をひたすらやってその日が過ぎて行くのだった。
そして、それは次の日も朝から行われた。そしてその夕刻。その日の作業を終え村人が話をしていた温泉とやらに出かけることにした。
佐助の借りている民家は村の端っこだが、温泉のある場所は村の真ん中あたりの古民家の裏手にあるとの事。
本当はそこを借りられれば良かったのだが、既に先に借りた人が居たらしく、先を越された形だった。しかしまだそこの民家には誰も到着していないようだが・・・。
佐助は作業を終えた足で向かったので、裏山伝いに歩いていく。すると湯煙らしき蒸気が上がっている場所にたどり着いた。
佐「ここか・・・。」
そこは見事な露天風呂であった。山間から落ちる夕日が赤く燃え見事なロケーションである。
佐「ひと風呂入らせてもらうかな。」
早速疲れた体を露天風呂で癒す。
佐「ふぅぅ・・・。温度も丁度いいようだ。まさかこんなところで露店風呂を楽しめるなんて思わなかった。極楽、極楽・・・。」
暫く目を閉じて暫くその湯に体を預けていると、夕日が地平線に隠れ、辺りは暗くなる。それと同時に空には星とそして丸い月が顔を出す。
佐「あぁ、今日は満月か・・・。長居してしまったな。そろそろ帰るか。」
露天風呂から上がり、帰り支度をしていた。すると露天風呂の側にある小屋の外から声がする。
佐「ん?この声は?もしかして・・・。」
衣服を着るとすぐさま露天風呂の裏の岩山の陰に隠れる。それと同時に小屋の露天風呂側の扉が開く音がした。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
チラっと覗くと麗亞が露天風呂に入ってくるのが見えた。
(っっっつつ!!////)
手ぬぐいで体は隠してあるものの、当然それは全裸である。隠れていない所も多いわけで白い肌が月夜に照らされて浮かび上がる。