第6章 【猿飛佐助・暗躍編】
家康達に近隣の村の話が出る少し前の事だった。佐助は安土城下を見て回っている時。民達の話を小耳にはさむことになる。
民1「安土のはずれにある村の裏山で大量の松の倒木やらがでたんだと。」
民2「今までの災害や、枯れ木なんだろう?でもあのままにしとったら、次大水や豪雨でも降ったら村ごとやられるかもしれんぞ」
民1「信長様に何とかしてもらわんとな。儂の親類があの村に住んで居るで心配で仕方がない。」
佐(ん?松?倒木?)
その話をしている町民に声を掛ける。
佐「あの、すいません、その村って何処に?」
民2「あぁ・・・安土城下町より南西にずっと行ったところじゃよ・・・。そんなに遠くはないが、道がそんなに良くなくてな。でも良い所ぜよ。その山には温泉もでるでの。」
佐「そうなんですか・・・。それはとても貴重ですね。有難うございますぶしつけに尋ねてしまって。」
軽く会釈をすると、佐助は色々と考えを巡らせて一つの応えにたどり着く。
佐「これは・・・・使いようによっては倒木の片付けと、そしてイベントの盛り上げにもなる・・・・。一石二鳥のチャンスだな。」
そう言うと、そそくさとその場を後にした。
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あの後すぐに馬を借り、その村へと向かった。早がけしたので少し暗くなる前には到着し、その問題の山へと入っていく。
あちこち倒れ掛かった松や倒れてしまった木。そして今までの災害で崩れかかっているであろう斜面を見渡した。
佐「これだけあれば、十分にアレが作れるな・・・。」
そう呟くと、すぐさま作業に取り掛かった。村に行き、人がいる民家を探す。
佐「あの・・・すいませんちょっとお借りしたいものがありまして…。」
佐助は其処の家の主人に色々事情を話すと、もういなくなって空き家になった古民家に足を運んだ。
中に入ると古くはなっているが、色々な道具はまだ残されたままになっていた。
佐「家も借りられたことだし。ここなら作業道具もある。良し…。早速下準備をしないと・・・。」
そういうと、土間にあった大きな桶をいくつか持って裏山に上って行った。