第5章 【徳川家康・準備編 上】
家「信長様に言ったらすぐ作るんじゃない?」
チラリと麗亞を見る家康と同時に麗亞も家康をようやく見る
「あ、でも・・・こういう場所で入るからいいの・・かも」
その時麗亞の後ろから茂みが揺れて黒い影がぬっと出てくる。
家「麗亞後ろっ!」
慌てて、麗亞の手を掴み自分の方へと引き寄せた。
「っつ・・・何っ?!!」
振り返ると、子猿が天風呂の中に飛び込んできた。
「猿っ?!」
子ザルは悪びれもせず首をかしげて二人を見ているだけだった。
家「びっくりした・・・。刺客かと思った。」
ふと、気づくと麗亞は家康に抱きしめられる形になっていた。
「あ・・・あのっあの・・・/////」
自分の体に密着する麗亞の柔肌の感覚に、ハッとする。
家(し・・・しまった!!)
家「あ、これはその・・・。ごめん・・・つい。」
「ううん、有難う。心配してくれたんだよね。」
離れなきゃとおもいつつ、なんとなく抱きしめた腕を離せないでいる家康。
家(このままずっと・・・居られたら・・・。)
家「ちゃんとご飯食べてるの?こんな細っこい身体して・・・。」
「・・・・・・ゃす・・・・。もぅ・・・。」
麗亞のか細い声が聞こえたかと思うと。急に家康の肩口に麗亞の顔が埋められる。
家「ッ・・駄目だよ・・・麗亞っ・・こんなことされると俺っ!!もう・・・我慢できな・////」
麗亞の肩を掴んで引きはがした時には既に麗亞はのぼせ上がって半分意識を失っていた。
家「っっ!!嘘っ!? 麗亞っ!!」
麗亞は遠のく意識の中、家康のぬくもりを感じながら満天の星空の゚キラキラを瞼の裏に投影していたのだった。
家康は慌てて、着物を着せ、先程の民家まで麗亞をおぶって行く羽目になったのであった。
その後敷かれた布団に寝かせられ、家康の隣で水で濡らした手ぬぐいを額に当てられる。
「・・・家康ぅ・・・」
ふと発せられた言葉にハッとする。
家「麗亞?」
「家康・・ぅ、綺麗だねぇ・・星。・・・むにゃむにゃ」
家「まだ風呂入ってるみたいだね麗亞は」
そんな無邪気な寝顔を見てふと優しく微笑んだ。