第4章 【伊達政宗・準備編】
佐「それより、さっきの荷物はどうするんですか?屋敷の人たちが袋持って行ってしまいましたが。」
政「あぁ、これからが本番だ。もうそろそろ・・・」
そう言ったときに屋敷の家臣たちがざるに沢山の洗いたてのサツマイモらしきものを持ってきた。
「何?サツマイモ?」
家臣「これでいいですか政宗様。」
政「おう、有難うそこに置いといてくれ順番にやっていくから。」
洗われた芋を入れた籠が次々と。置いていかれる。政宗は、その芋を先ほどお湯が沸いた竈の上の釜に入れ始めた。
「芋茹でる?でも今から作ったんじゃ日持ちしないよ。政宗。」
政「まぁ、見てなって。ゆだるまで暫くかかるからゆっくりしてな。」
洗われたすべての芋が大きな釜に三つほど。ぐらぐらと茹でられている。
庭の縁側で日向ぼっこをしながらもその釜を見ながらお茶をする事一刻半。 お昼も間近な頃。
だんだんと庭の釜からお芋のゆだるいい香りがしてくる。
「はぁ~なんか良いニオイしてきたぁ~♪」
目をつぶり鼻をクンクンさせ香りを嗅ぐ麗亞。
政「そろそろいいかな?・・・」
一つ芋を取り出して二つに割ってみる。黄色い鮮やかな色と共に中から煮えた芋のいい香りがした。
「ぅをぁああああ~凄い~おいしそう!!」
今にも涎が垂れそうなうっとりした表情の麗亞を見てフッと微笑み政宗が半分芋を差し出す。
政「食べて見ろ。味見だ。」
ほかほかの湯気の出ている芋を目の前に、目をキラキラさせた麗亞
「いいの?」
政「あぁ。」
手に取ると、じっとして持っていられないくらい熱い。
それでも、はふっと、一口かじる。すると口の中に甘いお芋の味が広がった。
「うわぁぁ~おいしい~甘い~ねっとりしてるぅ~ふふふっ」
政「じゃそろそろいいかなこの釜は。」
そういうと、さっきのざるに茹でた芋を取り出していく。
政「幸村、佐助、そろそろまた出番だぞ、これの皮をむいてくれ。」
「これなら私もできる!やっててもいい?」
政「あぁ、いいけど、火傷するなよ?熱いんだから。」
「わかったよ。」
そうして四人は、黙々と茹で芋の皮むきに専念するのだった。