第4章 【伊達政宗・準備編】
ゆで上がった芋の皮をむいた後、政宗はそれを1センチくらいの薄さに切っていく、切った端から、大きな平べったい竹でできたざるに並べていく。その過程を見た瞬間佐助がピンと来たのだった。
佐「あぁ、成程、干し芋ですね。」
政宗はニヤリと笑う。
政「あぁ、コレなら保存も効くし、干せば干す程甘くなる。」
「干し芋かぁ~美味しいよねぇ~。干した後でまたあぶって食べたらほくほくで最高なんだよねぇ~♪」
皮をむきながらその干し芋の味を想像しているのか、それだけでほっぺたが落ちそうな顔をする。
幸「政宗さんも考えましたね。敵将ながら流石だな・・・。」
佐「幸村も負けてられないよ。」
黙々と芋の皮を剥くこと数時間。気づけはたくさんの竹ザルが庭一杯に広げられ。すっかり先ほど買った芋が全て無くなった。
幸「はぁ~っ疲れた~。スゲー量だなぁ。」
「干しあがるのが楽しみだねぇ~。」
夕暮れの空を見上げて。幸村がポツリと呟いた。
幸「俺もそろそろ本気出さなきゃなぁ~。」
政「まぁ、期待してるぜ、ちったぁ気概があるとこ見せろよ。」
政宗がニヤリと笑った。
政「今日はありがとな、助かった。もしお前が何か決まってやる時には言えよ手伝ってやるから。」
幸「でも、それじゃ。」
政「俺も手伝わせたんだ、それくらいさせろよ。」
そう言って肘で幸村の腕をつついた。幸村は照れくさそうに言った。
幸「仕方ないですねぇ~そんなに手伝いたいならがっつり手伝わせますからね。」
その二人のやり取りを見て麗亞が佐助に話した。
「なんか良いね、こういうの、部活の先輩後輩みたいなノリで。」
佐「あぁ、政宗さんはなんだか俺達と馬が合いそうだね。年も近いみたいだし。」
「ずっと・・・こうやって皆と仲良くできるといいのに・・・。戦なんかしないでも済むし、誰も傷つかないし傷つけない。でも、一応戦国時代なんだよね。そうもいかないのかな。」
目を伏せて寂しそうにしている麗亞の肩に手を置いて言った。
佐「でも麗亞さんが居ればなんかこの時代も平和になっちゃうようなそんな気がする。」
すると向こうから二人がやって来た。
政「佐助ぇ~抜けがけとか狡いな。」
幸「そうだぞ、何気に抜け目がない奴」
佐「そんなんじゃないから・・・」
そうして四人の長い一日は終わった。