第2章 台所事変
「何でこんのすけを呼んだかってーとね、まさしくドラえもんの如く 色々道具やら何やら提供してくれるからなのよ。それなら清光が必要以上に疲れなくて済むしね」
こんのすけの存在は訓練生時代から聞かされていた。こんのすけを端的に説明するならば『審神者のサポーター』だ。
政府からの指令や 敵の情報の提供。審神者の仕事で不明な点を教えてくれる。一部の審神者からは“こんのすけパイセン”とも呼ばれてる。私は呼ばんがな。
「さて こんのすけや。悪いが掃除に協力してくれな」
「それは構いませ、……台所で履き古した靴でも煮詰めてるんです?」
つまりは臭いと。
「煮詰めちゃいないがそれよりヤバいブツがある」
「マジですか」
大マジです。化学物質かと見紛う物がある。
「さーやるぞー!まずこんのすけ!マスクと手袋とゴミ袋を二人分くれ!!」
「かしこまりました」
そう言うと、こんのすけはどこからか指定された物を取り出した。本当ドラえもんだな。
「清光しっかり防御しろよ。これから破壊兵器と戦うんだからな。もしやられたらゲロリアン祭りだぞ」
「地獄絵図だね」
「名付けて“ゲロルウォーズ”」
「最低だよ主」
マスクと手袋を装着すると例のブツの前へと立つ。ちなみに着物の袖は清光に襷掛けして貰った。
ブツの前に来ると更に異臭は強烈に鼻を攻撃してくる。マスクなど気休め程度にしかならなかった。本当にヤバいぞこれ。
「うわうわうわもうヤダぁ〜〜マジで俺無理だってこれ」
「私だって嫌だよ…誰が好き好んでこんな物始末しなきゃいけんのよ」