• テキストサイズ

【刀剣乱舞】銘々取りゝ 我等は刀よ

第1章 一歩


「ま、別に良いけど…いーよ。教えたげる。俺の元の持ち主は沖田総司だよ」
「えっ!沖田総司って、あの新選組一番隊隊長の?!」
「まぁ、そうだけど…」
「凄いじゃない!沖田総司って物凄い人気だもの!」
歴史上でも有名な名前が飛び出し、思わず身を乗り出す。彼が実在していたという資料や文献は幾らか存在しているが、彼を知っている人物から直接話を聞けるとは。
「そんなに人気?」
「もちろん!小学校の時の学芸会でね、新選組を元にした演劇をやったの。それで沖田総司の役を男子達が取り合いになっちゃってもう凄い騒ぎでねー…誰も譲ろうとしないんだもの。最終的には乱闘まで起こったのよ?」
今思い出しても凄く笑える。主に結末が社会のえぐさの縮図みたいで。

「結果乱闘で勝ち残った男子が沖田総司をやる事になったんだけど、勝ち残った男子が如何せん顔が…ね?
それで女子達が大ブーイングよ。“沖田総司は美男子がやらないとダメ!”って。可哀想にその男の子泣きながら寝っ転がって駄々こね始めたんだけど、横にデカい男子だったから馬鹿でかいイクラちゃんみたいだった」
「ぷっ」
思わず目を丸くして隣を見る。加州君が肩を震わせて笑っていた。視線に気付いた加州君は慌てて顔を逸らすが、笑いのツボにハマったのか笑い続けている。



「ちょっと顔見せてよ」
「いやだし、やめて、セクハラ人間」
「チャーン」
「ちょっ、」
「ばーぶー」
「くっ、」


「カツオにいちゃん くたばりやがれですぅ〜〜」










最後に昔からめちゃくちゃクオリティ高いと言われ続けた私の伝家の宝刀“タラちゃんの声真似”を披露すると、加州君は盛大に吹き出しダウンした。圧倒的勝利。
/ 58ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp