第4章 本当の顔
赤葦Side
やばい、何がやばいかというと
奈々が...昨日のリップを使っている。
そんなことか。って思うかもしれないが
自分があげたリップの香りが
好きな人の唇から漂ってきたらほんとダメ
俺、性癖おかしいのかな...
でも、あの時俺が奈々にぶつかったのは...
実はわざと。
俺が高1の頃、まだ奈々は中3で、
梟谷の見学に来ていた。
所謂一目惚れだ
バレー部が催していたブースに来たとき
鼻血が出ていた俺に奈々がティッシュをくれたのが始まり
なぜ鼻血が出ていたかというと、まあ...木兎さんの肘が俺の鼻に当たって...
それはさて置き、あの時奈々が天使に見えた
運命だと思った
この子は俺のもんだって
そう思ったら体が勝手に...
成り行きでマネに誘ってしまったがまさか本当に
なってくれるなんて...。
今まで遊んでばっかだったけど
もう奈々しか見えない。