第4章 初デート
本屋を出てバッシュを見に行った。久しぶりにバッシュなんか見に来たなあ。青峰くんがバッシュを見ている間、私もぼんやりと女物のバッシュを眺めた。てっきりバッシュを買うのかと思ったけど、そこでは何も買わず、そのままお店を出た。
続いて青峰くんと向かったのはバスケットゴールのある公園。スポーツバッグの中からバスケットボールを取り出した青峰くんはそのボールを私へと投げた。
「バスケ出来んだろ?」
「え?」
中学の時はバスケをしてた。でもこっちに引っ越して来てから誰かにバスケをしてたとか、バスケが出来るとか話した覚えはない。だから青峰くんにそう言われ驚いた。
「私バスケしてたって言ったっけ?」
「いや。」
じゃあなんで青峰くんは知ってるのだろうか。
「まだバスケ出来んだろ?」
「…出来るけど、」
もう長い事やってない。それに経験はあると言っても、私なんかが青峰くんの相手が務まるとは思えない。
「はなから相手になるなんて思ってはいねえよ。ただの暇潰しだ。」
言われなくても分かってた。でも、それを誰かに言われるとムカつくのは何でだろう。それは多分私がまだバスケを好きだからだ。
「まあ、好きなようにやってみろよ。」