第1章 約束 × 九条天 七瀬陸
「天ちゃん、陸ちゃん、オニごっこしようよ~。」
「いいよ~。」
「だめっ、陸はだめっ。」
子どものころから、私たちは3人で遊んでいた。
天はいつも陸ちゃんのことを心配していて
「ちょっとくらい大丈夫!今日は調子いいんだ~。」
「大丈夫って言ってるよ、オニごっこしようよ。」
「だめ!絶対ダメ!」
天がそう言うから、結局いつも、外では遊ばず部屋で遊んだ。
そんなことが続いたある冬の日のことだった。
「わあー!雪だ!!!」
朝起きると、外は雪が降り積もっていた。
「天ちゃーん!陸ちゃーん!あーそーぼ!」
「あ、海ちゃん。あそぼ~!」
玄関から出てきたのは陸ちゃんだった。
「天ちゃんは?」
「天にぃ?いるよ?呼ぼうか?」
「いや!待って。」
「?」
「雪積ってるし、お外で遊ぼう?天ちゃんに言ったら、またダメって言われちゃうよ。」
「!!そっか!お外で遊ぼう!!」
「お庭で雪だるま作ろう?」
「うん!作る!!」
そう、私はとんでもなく、考えなしだった。
「…っはぁ、はぁっ……!」
遊び始めてすぐ、発作が起きた。
「陸ちゃん?!陸ちゃん?大丈夫?」
苦しそうな陸ちゃんを見て、自分のした過ちに気が付いた。
「天ちゃん!!陸ちゃんが!!!」
すぐに家にいる天を呼んだ。
天は、陸ちゃんの発作に慣れてるのか、落ち着いて対処をしてくれた。
おかげで、陸ちゃんの発作はしばらくするとおさまった。