第1章 約束 × 九条天 七瀬陸
「海ちゃん!!天にぃ来たの?!」
「あ。うん。来てたよ。陸ちゃんのこと心配してたけど。」
「え?!あ、そうなの?!」
陸ちゃんは安心したように、へたり込んだ。
「何の心配してたのさ。」
「だって、天にぃに会ったら、海ちゃん…。」
陸ちゃんは何かを言いかけて、にごした。
「陸ちゃん、長い間ごめん。」
「え?」
「私、陸ちゃんが好きだよ。」
初めて、言葉で伝えることのできた“好き”は、思ったよりも照れくさくて、顔が赤くなるのが自分でもわかった。
「え?!え?!もう一回!もう一回言って!!」
「これからは、何回でも言えるよ。陸ちゃんが、大好き。」
涙目で喜ぶ、優しくて、少し頼りない、そんな彼が大好きだと、胸を張って言える今日に感謝します。
おわり