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プリンにはカラメルを【アイナナ】

第1章 約束 × 九条天 七瀬陸


それからしばらくすると、陸ちゃんは家を出て、寮で暮らすことになった。
やはり、それまでと同じように会うことはできなかったけど、電話やラビチャで頻繁に連絡は取り合った。
陸ちゃんの生活は、充実しているようだった。

「良かった、順調そうで。」

陸ちゃんからの連絡が来るたびに安心する。


ピンポーン


「…誰だろう…。」


チャイムが鳴り、玄関を開ける。


「天?!」
「久しぶり。いいから入れて。」


そう言うと、天は無理矢理家の中へと入ってきた。


「ちょっと、天!!」
「うるさいよ。」

両手で耳を押さえ、音を遮る。
天は、あの頃よりも背が伸びて、声も少し低くなった。
テレビの画面越しで見ることはあっても、実際に会うのは5年ぶり。

「いきなりなんだから、びっくりするに決まってるでしょ?何しに…」
「何しに?わからない?」

真直ぐ、氷のように冷たい視線が突き刺さる。
テレビで見る、天使のような笑顔とは全くの別物だ。
そして、昔、一緒に過ごした天とも違う。
その迫力に思わずたじろぐ。


「陸のこと、ちゃんと見ててって頼んだよね?
 …ねえ、IDOLiSH7って…どういうこと?」



大きな声を出しているわけじゃない。
ただ、天は無表情に、無機質に、そう問いかける。



「ちゃんと、見てたよ。」
「ちゃんと見てたら、アイドルなんて…止めるはずだよ。」
「ちゃんと見てたから、止められなかったんじゃない。」


私は拳を握りしめた。
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