第1章 約束 × 九条天 七瀬陸
「陸ちゃーん!おめでとー!!」
「ありがとー!!!」
クラッカーの糸を引き、はじけるような声が響く。
机の上にはごちそう(スーパーで買ってきた)が並べられ、壁には折り紙て作った輪つなぎと風船を飾った。
ささやかながら、陸ちゃんのオーディション合格を祝うパーティーを開いた。
と、言っても、私の家で陸ちゃんとふたりのこじんまりしたパーティー。
「陸ちゃんがアイドルか~。楽しみだな~。」
「他の合格したメンバーもいい人たちばっかりなんだ。」
活き活きと、今日のオーディションの様子を話す姿に、思わず私も笑顔になる。
陸ちゃんの笑顔は、人を幸せにする力がある。