第5章 新しい血
サイド
晋助「ほら、脱げ」
「うん」
シュル…パサッ
布の擦れる音が部屋に響く
私も晋助も無言
晋助「こっちとそっちに手ぇ通せ」
晋助に言われたことに従う
晋助といる時だけ私は話すのが難しくなる
大人っぽいから?
顔が怖いから?
なんでだろ?
晋助「…俺と喋るときは無口だな」
「うーん。なんか晋助と話すのは難しい。
大人っぽいからかな?」
顔が怖いなんて言えない。
「でも慣れればいいや」
晋助「…あぁ」
「晋助はお兄ちゃんより年上に見える」
晋助「アキラの方が身長も知識も俺より上だがな」
「んとね…雰囲気がなんか違う。
お兄ちゃんはふわふわしてるのに…晋助は落ち着いてる…だから大人っぽいのかな?」
晋助「落ち着いてる…か。」
晋助は着物を着せながら話してくれる
晋助「できた……けど、でかいな」
私と晋助は頭一個分違う
晋助は3人の中でも一番小さいのに…大きい
裾を普通よりも上げてくれたらしいけど、帯のところで重なって帯がゆるゆるになるから…無理だ。
次は普通に着せてくれた。
袖も、裾も、ぶかぶか
あっ!思いついた
「晋助!思いついた!
裾を帯に押し込んで、袖はまくろ!」
晋助「押し込んでって…こうか?」
晋助は裾をピラッとまくって帯に入れてくれた
これなら動きやすく、帯にもあんまり重ならないからゆるゆるにならない
足がじゃっかんスースーするけど…なれるでしょ
袖はまくってもらって完成だ!
「できた!ありがとー!晋助」
晋助「なら行くぞ」
「うん!」
晋助の手を握って部屋を出た
お兄ちゃんよりもお兄ちゃんかもしれない。