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一人ぼっちとかやっていけません……

第2章 いよいよ開始! 男装生活~入学式~


そしてやってきた鷹見原(たかみはら)学園の入学式。東(あずま)さんの言った通り、私の家に迎えの車が来た。

うわぁ、やっぱり高そう……。

そう思いながら乗り込むと、そこには三好(みよし)さんの姿が。
「あ……おはようございます……。」
「おはよう。今日は話があるから同乗したけど、明日からは居ないから……安心しなよ」
「そ、そういう意味じゃ……!」
「どうだか」
三好さんはそう言って肩を竦めた。
「それで話って……?」
弁解しても無駄だと思った私は無理矢理話題を逸らした。
「あぁ、そうだった。まず、名前はそのまま名乗って良いけど女っぽいとか言われても適当に誤魔化すこと。その髪もね。」
三好さんは視線で私の長い髪を指した。そう、私は髪の長いまま通学することにしたのだ。正直、男子くらいに切るのは抵抗があったし。ウイッグとか方法は有ったんだろうけど、東さんが「そのままでも良いけど……」って言ってくれたから、その言葉に甘えることにした。
「まぁ、風習だとでも言えば大抵は納得すると思うから。それと、一人称は気を付けなよ。」
「僕、で良いですよね……?」
「まぁ、良いんじゃない。それと、その敬語。僕とは同じ学年なんだから止めなよ。呼び方も、呼び捨てがの方が自然。」
「え……。」
予想外の要求についポカンとしてしまう。私の反応に三好さんがむっとした。
「何? 合理的に考えたら当然でしょ。敬語で、名字をさん付けするような相手に気安く話し掛けるのと、タメで呼び捨て。どっちの方が自然?」
「うっ……確かに……。じゃ、じゃあ、英介(えいすけ)。……これで良いんだよね?」
私が確認するように三好さんを見ると、彼はふい、と顔を背けてしまった。
「……名字で良いんだけど……。」
「え? でも、そっちの方が仲良しっぽくて自然じゃない?」
「……君に正論言われるなんて屈辱。」
むすっとしたまま三好さんが呟く。
「英介って性格悪いよね。」
くす、と笑いながらからかえば三好さんは更にむっとする。
「煩いよ。」

三好さんにも意外と可愛げあるのかも。

そう思うと、彼と接するのが少し楽しくなった。
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