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一人ぼっちとかやっていけません……

第1章 どきどきわくわく 高校新生活?!


東さんに言われるまま私は二人と向かい合うように座り、三好さんは私のお母さんを呼びに行った。そして、連れられて来たお母さんは浮かれていた。私の隣の座るなり、お母さんは楽しそうに語る。
「良かったわねぇ、燈弥! 鷹見原学園って良い所だし、そんな学校にタダで通えるなんて幸運よ!」
「……お母さん、知らないの? ここ男子校だよ?」
「さっき教えてもらったわよ? でも、守ってくれるんでしょう?」
「え? 何の話……?」
困惑する私に東さんが微笑み掛ける。
「それについても、今から説明させてもらうよ。まず、お母様。先程、燈弥さんとお話させていただき、ご入学の意思を我々もしかと感じました。しかし、鷹見原学園は男子校です。それに関しましては?」
「良いわよぉ。燈弥をお願いね。」
「承知しました。では、燈弥さんがご入学された際の当方の待遇について説明させていただきます。」
東さんの言葉に合わせて三好さんが私たちに資料を渡す。
「まず、制服や授業料等の必要経費の免除。また、三好を同じクラスにし、燈弥さんを力の及ぶ限り守ります。」
「えっ?!」
初耳の情報に変な声が出た。
「ま、待ってください。それって、」
「質問は後程受け付けます。」
三好さんが静かに私の言葉を遮る。そして、東さんに「続けてください」と言った。
「……では、続けます。送迎に関しては東家が担当します。そして、燈弥さんが良い学園生活を送れるよう我々生徒会が総力を上げてサポートします。当方が燈弥さんに求めるのはただ一つ。ご自身の姓を三年間隠し通して頂くこと、です。……如何でしょうか?」
渡された資料には今、東さんが言ったことが詳しく書いてあった。

こんな待遇、まるでお嬢様みたい……。それに、ここまでしてもらえるなら、安全かも……。

「こちらの書類にサインを頂ければ、今お持ちの資料の内容を必ず守ることをお約束します。」
そう言って東さんは一枚の紙を取りだし、私たちの前に置いた。私とお母さんはそれぞれサインをして、東さんに返す。
「確かに受け取りました。それでは入学式、当学園にてお待ちしております。」
斯くして、私の男装高校生活が始まったのだった。

うーん、それにしても……三好さんに守ってもらうっていうのが、一番不安だなぁ……。
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