第1章 恋煩い 【SN】
Nside
カーテンの隙間から漏れる光が俺を照らす。
「……ん…」
眩しくて思わず顔を背ける。
だんだん脳が覚醒してくると、俺は目の前にある相葉さんの顔を確認した。
「うぉっ……あ…相葉さんっ…?」
一気に目が覚めた。
何だ……この状況。
大人の男二人がシングルベッドでくっついて寝てて。
俺は相葉さんの腕の中。
つまり、相葉さんに抱きしめられている状態で。
そういえば昨日、飲みながら話を聞いてもらってどうしたんだっけ…?
頭が混乱する中、頭痛が襲う。
「うぁ……さいあく…」
二日酔い……か。
ひとまずここから抜け出そう。
何とか抜け出そうともぞもぞしていたら、相葉さんを起こしてしまったらしい。
「ん………あ、ニノ起きてたの。おはよぉ」
「起きてたの、じゃないよ。なんすか、この状況」
「ふふ。だめだった?」
微笑みながら、相葉さんがおでこをこつんとくっつける。
「ちょっ……相葉さん近い」
「いーじゃん、恋人チックで。俺を翔ちゃんだと思ったら?」
何か…いつもの相葉さんと違う。
冗談っぽく言ってるけど、目が笑ってない。
どこか…哀しそうで。
「相葉さん…何か変だよ?どうしたの?そろそろ離れ……っ…」
相葉さんの身体を離そうとすると、ぎゅーっと抱きしめられた。
困惑する俺の耳元に、相葉さんの吐息がかかって。
「……俺、ニノが好き」
俺が予想もしていなかった言葉が囁かれた。
相葉さんの声がちょっと震えている気がした。