• テキストサイズ

マグネット

第1章 恋煩い 【SN】


 Aside

「い…今のはカウントしませんからねっ」

そう言って、顔を真っ赤にしたニノが部屋を出ていくのを見送る。


隣に未だ残るきみの温もりとかおり。

しまった……キスなんかするんじゃなかった…。

唇を離した瞬間、赤く染まってゆくニノの顔が脳裏に蘇る。

キスなんてニノとは、おふざけで何回かしたことはあった。

でも…あんな顔を見たのは初めてで。

振られてしまった今、この想いから解放されると思ったのに…。

唇を尖らせてみせる拗ねた顔。
酔っていつもより水膜の増した瞳。
無防備な寝顔。

きみの全部が俺のことを掴んで放してくれない。


『…俺のこと好きになってくれてありがとうっ』


そんなこと言ってくれるなんて思ってなかった。

…もっと好きになっちゃうよ……?


それでも……やっぱり俺じゃだめなんだよね。

あと少し……もうちょっとでいいから好きでいさせて?
/ 9ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp