第1章 自称優男は大体外道
「あの、大丈夫です。AVでも感動ストーリーでもお饅頭でも貰ったものはちゃんと食べるし、観ますよ。」
私がそう言うと場が静かになる。
特に銀さんは口が開いて固まってる。
「いや、これ、観るの?」
「はい。」
「あ、本当にね。...なんか...ごめんね。となりのペドロのDVD持ってくる。」
そう言って銀さんは居間をでていった。
どういうことだろうと思って小首を傾げていると神楽ちゃんが私の肩を叩く。
「ちか、よくやったネ!銀ちゃんのセクハラ攻撃をものともせず、逆に気を使わせるなんてプロにしか使えない技アルヨ!」
「あ、ありがとう...?」
そんなこと私に言うって事は他の人にもあんなセクハラ行為してるのか...。
「あ、そういえば、『鬼道丸』って知ってますか?」
新八くんがいきなり話題を変えてきた。
「煉獄関の人間で鬼道丸を知らない人はいないよ。
勝負は一瞬、その強さはまさに“鬼”。
私は話したことも戦ったことも無いけどあの人の戦いを見たことは何度もある。
けど、その鬼道丸がどうかしたの?」
「昨日、その鬼道丸のとこに行ってき―――――」
「おい、『荒彩』さま。お呼び出しだぜ。」
新八くんの声を遮るようにして襖が開く。
いつの間に、呼び出しなんかされたんだろう
それより、私は銀さんに煉獄関での通り名を教えた覚えは無い。
てことは、この呼び出しは私の通り名を知っている“あの人”からだろう。