第1章 自称優男は大体外道
「でも、沖田さんにこんな知り合いがいたなんて意外ですね」
「あいつの事だからとんでもない奴かと思ってたら美人な女の子ネ。」
「でもあれだろー、どうせコレなんだろー」
銀さんはそう言って小指をたてる。
どうやら勘違いをされてるらしい。
「違いますよ。そもそも沖田さんとは昨日初めて会ったばかりですし。」
「あいつが初対面でちかをここに寄越したアルか?」
神楽ちゃんは意外そうな顔をした。
「多分、私が信用に足る人物かここで判断しようとしてるんだと思います。
このことは向こうにバレたらまずいですし、万事屋さんに1回任せてみよう、みたいな。」
銀さんは少し面倒くさそうに頭をかく。
「総一朗くんもめんどくせーことすんな。」
思わず苦笑いになる。
確かに万事屋さんからしたら初対面でいきなり一緒に大きい組織に歯向かおうなんて無理な話だろう。
けど、私はしなくちゃならない。
「けど、ちかさん、なんで煉獄関潰そうと思ったんですか?あそこの闘士なのに。」
新八くんに質問されて沖田さんに説明したのと同じ通りに答えた。
「んー、まあ、一応信用してやるよ。ただし、報酬は貰うからな。」
銀さんはまだ腑に落ちない様子だったが承諾してくれた。
「はい。それなりの額は払おうと思います。」
そう言うと神楽ちゃんが酢昆布がたくさん買える、と喜んでいた
私が勝手に頼んだ事なんだから、報酬を払うのも当然だろう。
しかも、私は煉獄関ではそれなりに名の通る闘士だからお金も贅沢出来るほどには貰っている。
じゃないと、他の闘士、正確には元闘士だが、あの人達にお金を貸したりなんか出来ない。