第7章 大晦日はOh!味噌か
「眠い...」
「寝ろ」
「いや、でも年はちゃんと起きて越したいんですよ」
「ふーん、寝ろ」
「話聞いてました?」
「オメーが寝るたびにビンタで起こしてやるからいくらでも寝ろ」
「眠気が覚めました」
みかんに手を伸ばし、剥いて食べる。もう何個食べたかも分からない。
「あ、お茶入れてきますね」
台所まで行き、湯のみにお茶を煎れ帰ってくると沖田さんは寝ていた。
「自分は先に寝てるじゃないですか」
ていうか、本当に綺麗な顔してるな。腹が立つ。
まつ毛も長いしパチッとした綺麗な二重だし、肌も白いし顔も小さいし、
「何なのこの人...」
ずっと寝てればイライラしないし目の保養なのに。
「あ、そうだ」
ブランケット持ってくるついでに携帯も部屋に取りに行こう。
沖田さんが起きないうちにと急いで自分の部屋まで行き、ブランケットと携帯を手に戻ってくると沖田さんはまだ寝ていた。
沖田さんには私の変な寝顔写真も撮られてるしこのくらいいいだろう。この人の場合は寝ててもカッコイイし。
ブランケットを沖田さんにかけてから隣に膝をつく。
携帯のカメラをオンにし、沖田さんの寝顔を撮ろうとすると
「キャー、佐藤ちゃんのエッチー」
目を細め人をからかう様な笑みを浮かべた沖田さんが携帯を持った私の手首を掴んでいた。
「え、うわ、え、あ、お、沖田さん起きてたんですか!」
「寝てたよ、オメーが隣にくるまでは。で、起きたら人の顔を盗撮しよーとしてたんだもんなー。こわいこわい」
「沖田さんも私の寝顔勝手に撮ったじゃないですか!ていうか、手ェ離してください!...って、ちょ、うわ!」
沖田さんの手を無理やり振りほどこうとすると強くしすぎたのかそのままバランスを崩し沖田さんごと床に倒れた。
「痛っ...あ、」
目を前に向けると沖田さんがいた。私が倒れてるから正確には上だけど。
顔がすぐ近くて沖田さんの髪が顔につきそうだしなんて言うか心がぐちゃぐちゃになる。
「あ、あの、沖田さん...退いてください」
「んー...」
顔が更に近づいてくる。
「...今俺ら以外誰もいねー。どれだけ声出してもバレねー」
「ちょっ、ほんっとに、ヤメ...んんっ」