• テキストサイズ

【銀魂】見つめる鍋は煮え立たない

第7章 大晦日はOh!味噌か


「アイドルって、いいですよね」


輝くような笑顔を振りまき、楽しげに踊り、歌う彼女らを見てると思わずそんな言葉が零れた。


「意外だな、オメー、アイドルにでもなりてェのか」

「そういうことじゃなくて、言葉のそのままの意味です」

「ふーん、具体的には?」


沖田さんは話に乗ってきた。意外だ。

この人のことだから適当に聞き流すものだと思ってた。

私の話を聞く他にすることが無いかもしれないな。実際無いけど。


「与えて、与えられて、みたいな。この子達の本心は分からないけれど、何も知らない第三者から見たら、

笑顔や歌やその他諸々をファンに与え続ける代わりにグッズとか、ライブのチケット代とか沢山お金を払ってくれるじゃないですか。

それって、一番簡単な愛の示し方だとおもいませんか?」

「愛してる、とかいう言葉よりも?」

「愛してるという言葉よりも」

「...ならさ、オメーは相手に愛の言葉を囁くよりブランド品でも買えって?」

「そんな訳ないじゃないですか。私は100万円のバッグよりも100万回の愛してるのほうがいいです」

「多いな」

「愛に多いも少ないもありませんよ」

「ふーん」


こたつから出していた足をまたこたつの中に入れる。

さすがにこたつ無しでは冬の夜は越せない。

/ 72ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp