第6章 思い出したくないことほどよく思い出す
恒道館道場兼、志村家につき、インターホンを押す。
初めにお妙さんに会ってから近藤さんのおかげで何回かここには来ていた。
だからお妙さんとは結構仲良くなった気がする。年も近く、気さくだからとても話しやすい。
「ちかちゃん?どうしたの、今日ゴリラは来てないわよ」
門が開きお妙さんが出てきた。
「いえ、近藤さんのことではないんです」
でも、万事屋を訪ねるのも近藤さんの事だし関係はあるか。
「万事屋さん、ここにいるって聞いたんですけどいらっしゃいますか?」
「あー、万事屋ね...中に通すわ。だからそこで少し話します」
お妙さんは苦笑いだ。何か万事屋に家が潰れた以外の事情でもあるのだろうか。
居間に通され、「ちょっと待ってて」と言われ、素直に待つ。
まず、近藤さんのこともそうだけど、なんで万事屋があんなことになったのかも知りたい。
隕石か宇宙船でも落ちた跡みたいな感じだった。
なにか、万事屋はそんなことをされるレベルの恨みでもかってたのだろうか。
万事屋、別名何でも屋という職業では結構不味いことでも任されるのかもしれない。
スパイとかみたいな。
万事屋に行く限り、そんなことを頼まれている様子はまったくないんだけれど。