• テキストサイズ

【銀魂】見つめる鍋は煮え立たない

第5章 イケメンの顔よりブスの顔のほうが覚えやすい


「確かオメー17だっつってたよな」

「...はい、そうですけど」

「男と触れ合う機会ぐれーあっただろ?それに、その顔じゃ山ほど男が言い寄ってくるだろうに」

「煉獄関で闘士になるまで、ずっと山の中で暮らしてたんですよ。育て親が、修行するなら山の中だかなんだか言って。

町に下りてくるのも月に3、4回だけでしたし」


多分、『あの人』がいなかったら、私も、同じ年頃の女子と同じように彼氏ぐらいいただろう。

私も、何物にも変え難い、狂おしいほど愛しい人が出来て、書物のような恋をしたかった。

母が遊女で自由に恋をすることが出来なかったからせめて、娘の自分は、とでも思ってるんだろう。

私の『恋』をしたいという気持ちは常人よりは強い気がする。


「そうだったのか。すまねェことしたな」

「気にしないでください。私もこのくらいの歳なら、ハグの一つや二つ軽くこなすレベルにならないといけないんで」

「そんなの気にしねーでオメーのペースでいいさ。」

「...怒ってないんですか?」

「...」

「私が、真選組の屯所で居候してたこと」


さっき、真選組のスパイなどでは無いと説明したけど、本当にスパイの人でもそう説明するだろう。

攘夷浪士の晋助さんにとって、私の言葉は簡単に信用出来るものじゃない。

現に、さっきの晋助さんの怒りは紛れもない本物だ。

今の様子だと、何故か怒りは収まったみたいだけど、それだけじゃなんだか納得がいかない。

我ながら厄介な性格だと思う。
/ 72ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp