第1章 自称優男は大体外道
私がそう言うと、少年を眉をピクリと動かす。
うろ覚えだったが、だいぶ前に新聞にこの少年が載ってたから
当てずっぽうで言ってみたけど、反応を見る限りあってる。
「真選組がこんなところでどうしたんですか。
仕事もせずにこんなところでナンパなんて...」
「これのどこがナンパにみえるんでィ。自意識過剰にも程があるぜ。」
「ああ...、乙女の純情はこんな風にして消え去っていくのね...。
江戸のこんな世の中腐ってる...汚れてる...」
「おーイ、話聞いてる?刀見えてる?腐ってんのはお前の頭だよ」
とりあえずどさくさに紛れて逃げなくてはならない。
色んな人と刀を交えてきたから分かるけどこの人とやって勝てるかどうか、危うい
「冗談はこんぐらいにして、お前さっき、戦った男逃がしたろ?」
どうやら、さっきのやり取りは見られてたらしい。
「真選組一番隊隊長さんは私を殺すつもり?
その前に、違法闘技場である煉獄関をやったほうがいいと思いますけど。」
そう言うと沖田総悟は鼻で笑った。
「残念だが、お前さんは殺さねえよ。煉獄関はいつかヤッてやる。
本来なら違法闘技場で賭け試合に参加してるアンタも処罰対象だが、
俺は優しいんでね。訳を聞くだけで済ましてやりまさァ。」
「君が優しいって何かの冗談?優しい人は女の子には剣じゃなく、お金を差し出すモンだよ。」
「俺は立場上、アンタを斬ってもいいんだけれどどうすればいいんですかィ?」
明らかに脅しととれる言葉を言われて思わず睨みつける。
目の前の男は中性的な見た目に対して中身は性悪らしい。
「分かった。話すよ。」
「最初からそうしてくれたら早かったんですがね」
この男はさっきまでのやり取りを覚えているんだろうか。
いきなり剣突きつけられて話せるわけないのに。