第3章 ストーカーとゴリラは似ていないようでやっぱり似てない
ガンガンガンガン!!!
「起きろーおい起きろー。」
ガンガンガンガン!!!
「起きろっつってんだろィ。早く起きねェと犯すぞコラ。...イテッ」
変な言葉が聞こえたから、声が聞こえる方に向かって枕を投げる。
「起きてます!朝は低血圧だから辛いんですよ。
ていうか勝手に婦女子の部屋に入らないでください!」
朝っぱらから耳元でフライパンをおたまでガンガン鳴らされるなんて最悪だ。
それになんで沖田さんが部屋にいるのか。
今髪もボサボサだし、寝起きで顔もヤバイのにそんな所を見られるなんてまたまた最悪。
「そんなカリカリすんじゃねーよ。佐藤を起こしてこいっつったのは土方さんでさァ。
俺に文句言うなら土方を殺せよ。」
「なんで私が土方さんを殺さなきゃいけないんですか。殺るならあなたを殺ります。」
「それに、オメーの寝顔はばっちり撮ってまさァ。
心配するこたねーさ。」
「心配することしかないじゃないですか!
ほんッと、もうッ...沖田さんのクソドS外道!」
寝起きのせいで頭が良く働かないし、沖田さんのせいでイライラが倍増。
それに、こんな顔を撮られたなんてもう終わりだ。
後で隙を見て沖田さんの携帯壊そう。
「で、なんで土方さんが私を起こせと沖田さんに言ったんですか。早く言ってください。」
「近藤さんがちょっとある用事で出かけてましてね。
連れ戻してこいと言ってやした。」
出掛けてるのをわざわざ連れ戻しにいくのか?
めんどくさい。
「そんなこと真選組の方がやればいいじゃないですか。なんで私なんですか。」
「俺たちゃ忙しーんだよ。それに比べてお前は暇だろィ。
ついでオメーはここに居させてもらってるんだからな。手伝えることは手伝え。」
「...分かりました。」
そんなこと言われたら逆らえるはずがない。
まあ、連れ戻した後にでも家を探そう。
「これが近藤さんがいる所への地図でさァ。ま、あとは頑張れよ。」
沖田さんがポンと紙を投げる。
分かりやすい地図なのは有難い。
目的地は...恒道館道場?
剣術でも教えに行ってるのか?