第1章 自称優男は大体外道
2人が、睨み合ってる間に隊士達は意識を取り戻し立ち上がった。
「ちかちゃんもいるんですよ...。それより、本当にこの子良い子ですよ!めっちゃくちゃ可愛いし!
聞き上手で、なんていうか、有難いって感じです!」
隊士さんは身振り手振りで説明してくれてるが、ぶっちゃけ何いってるかよく分からない。
「はぁ...。テメーらは馬鹿か。良い子がどうとかじゃなく事情聴取しろっつってんだよ俺は。
ていうかなんで呼び捨てなんだよいつの間に仲良くなっちゃってんの」
「土方さん、男の嫉妬は見苦しいですぜ。呼び捨てで呼びたかったらそう言えばいいのに。」
「ちげーよお前は馬鹿か。...もういい。キリがねぇ。おい、佐藤。お前もう帰れ。釈放してやる。」
土方さんは額に手を当て、呆れ気味だ。
やっと帰れるけど、一つ問題がある。
「あの...帰るっていっても家がありません。」
「「は?」」
沖田さんと土方さんの声が重なる。
「私、闘士になってからは煉獄関の中の部屋を貸してもらってたんです。煉獄関は今は立ち入り禁止だし、まさか、あそこに住むわけにもいけないし...」
よく考えると私は煉獄関を潰すつもりで闘士になったのになんであそこに住んでたのだろう。
まず、『あの人』がお金を少ししか残さず出ていったのも悪い。
「あ!それなら、家が見つかるまで屯所で過ごすってのはどうですか?」
隊士さんがポンと手を叩くような仕草をして言った。
しばらく屯所で過ごす、か...。もしかしたらこれで何か得られるかもしれないからちょうどいい機会かもしれない。