第1章 自称優男は大体外道
急に飛び込んできた私に煉獄関の奴らはビックリしてたけど、私の顔のお面を見た瞬間話しかけてきた。
「荒彩か!ちょうど良かった、変なヤツらが暴れ回っててお前がいれば何とかなり――――――――」
「すみません、私も変なヤツらの一人です。」
話しかけてきた奴は血を噴き出して倒れている。
「お、お前...裏切りやがってッ!!!」
「元々煉獄関にもその上にもついた覚えはないんで。今日は思う存分に暴れさせてもらいます。」
私の周りを他の闘士が少し離れて取り囲む。
斬ろうと剣を構えると、どこからか「ヤベェ、幕府の犬だ!」と聞こえてきた。
やっと真選組のお出ましらしい。
真選組のいることに気づいてほとんどの奴が私のこともほっといて逃げ出した。
「おい荒彩、追え!斬らなくていいから捕まえろ!」
沖田さんの大声が聞こえて、急いで逃げた奴らを追う。
ほんっっとうに人使いが荒い。
時は飛んで翌日。
私は協力したにも関わらず何故か真選組の屯所内で事情聴取されている。
聞くところによると煉獄関のトップの連中は逃してしまったらしい。
ついでに協力した私も逃がしてほしいがそういう訳には行かないみたいだ。
真選組は幕府の直属の警察組織らしいからここでコネを作っとくと後々楽かもしれないが、
そんな簡単にはいかないかもしれない。
沖田さんが私のことをどう思ってるか分からないし、土方さんは確実に私のことを良く思ってない。
まあ、いきなり変な女が闘技場潰したいので協力させてくれなんて言ってきたらそれだけで信用出来ないのも当然だろう。
よく考えると、あそこで了承してくれた沖田さんがおかしいのかもしれない。
私が言える義理はないが。
とりあえず、真選組隊士には話せるだけの事情は話した。
話し終えると、大変だったろうね、とか何とか言って、茶菓子を持ってきてくれた。
今は雑談中で上司の愚痴を聞かされている。
なんていうか、ご愁傷様ですとかしか言えない。
話が土方さんから沖田さんに変わったとこで、戸が開き土方さんと沖田さんが入ってきた。