第2章 出逢いと決意
目の前の光景が今だ信じられなかった。巨人は死んで自分自身が生きていることが。
「…おい…。」
「……。」
「…おい!ガキ!!聞いてるか!?」
「は、はいっ!」
私は我に返り声の人物を見上げた。
(自由の翼…調査兵団の人だ。)
その瞳はとても鋭く、何者も寄せ付けない…
しかし、何処か寂しげに見えた瞳を私は目を反らせずにいた。
「…ちっ。まだここに避難してない奴がいたか…。ペトラ、こいつを安全な場所まで連れていけ。俺は辺りを見てくる。」
「…リ、リヴァイ兵長!?」
その瞳はもう一度私を視界にいれ、去って行った。
「とにかく、あなたを安全な場所まで避難させないと…。」
調査兵団のもと、私はウォール・ローゼに避難した。
「ここまでくれば大丈夫ね。私はペトラ・ラル。えっと…あなたの名前聞いてもいい?」
「…ミユ…。ミユ・アトカーシャです…。」
「そう…。ミユ。…ごめんなさい…あなたの両親を助けられなくて…。」
「…。」
調査兵団のせいで父と母が死んだなんて思ってない。
私自身、助けてもらったことは本当に感謝していた。
しかし…私の心は空っぽになったように…
何も考えられず何も言えずにいた。
「…ごめんなさい、ミユ。私、そろそろ戻らないと…。あなただけでも無事で本当に良かった。」
(…無事か…。私、これからどうやって生きていけばいいんだろう…。誰もいないこの世界で…。)
私は目を閉じ…
いつの間にか意識を手放して行った。
(……。)