第9章 才能と有能
私達は彼女の様子を見ることにした。
「口論を止めに入ったね…あっ!突き飛ばされた。…でも立ち上がってまた止めに入ってるね…。いやー、頑張ってるね!」
私の興奮した態度とはうってかわって、オルオとペトラは何とも言えない表情で行く末を見ているようだった。
(まぁ君達の気持ちも分からなくはないけど…ね。)
口論から視線を外し、オルオとペトラを見つめた。
「「ぶっ!あはははははっ!!」」
「!!!」
突然の笑い声に、二人に向いていた注意をそちらに向けた。
先程までとは違い、穏やかな空気が流れているように思えた。
「…無事に終わったみたいだね。君達、さっきの見てて私が言ってた意味分かった?」
「「……。」」
二人は顔を見合わせたが、黙ったままだった。
「リヴァイがミユ を選んだ理由は…きっと経験や知識じゃないもう一つの物…例えるなら…才能かな…。」
「 「才能…。」 」
「そう…いるだけで周りの空気が変わるような存在…。それは、経験してどうにか出来るものでもなく生まれ持ったもの…。そして…その存在こそが専属精鋭に必要だったもの…。だからエルヴィンやリヴァイはミユを選んだんじゃないかな。」
私の言葉にオルオとペトラはただ黙ったままだった。
「…まぁ、一番良いのはミユ本人と話す事なんじゃない?彼女がどういった人間かきっと分かると思うよ。」
「 「……。」」
私はその言葉を言い残し、ソニーとビーンのもとに向かった。
(それにしても…自分のお腹の音でとは…驚きだったよ。まぁ面白かったけどね♪)
(?何の話ですか??)
(君達聞こえなかったの!?…もったいない。)