第2章 出逢いと決意
「誰かー!!誰かお父さんとお母さんを助けて!!…誰か…お願い…助けて…。」
私は逃げ惑う人々に助けを求めたが、誰一人聞く耳を持つ者はいなかった。
ーズシーン、ズシーン…
「!!巨人の足音がこんなに近くに!?…お父さん!お母さん!!」
(胸騒ぎがする…早く戻らないと!!)
私は助けを呼ぶのを諦め、父と母の元にもとに急いだ。
「お父さん!!おかあ…さ…。」
--ドサッ…
体中の力が抜け、目の前が真っ暗になった。
先程までの父と母の姿はなく、巨人に食い殺され無残な光景が目の前に広がっていた。
「う…そ…。おと…さ…おか…あさ…。」
涙が溢れ頬を伝っていく。
ーズシーン、ズシーン…
巨人の足音がすぐそこで聞こえる。
(逃げなきゃ…でも、体が動かない…。)
私の目に巨人が映る。
(私、このまま死ぬんだ…。もう、お父さんもお母さんもこの世界にいない…。ダレモイナイ、コノセカイ…。)
薄れゆく意識の中、呟く。
「…巨人のいない世界で…自由に暮らしてみたかった…。」
死を覚悟して目を閉じる。今までの思い出が走馬灯のように脳裏に浮かんできた。
「グワァァァーーーッ」
巨人の絶命であろう叫び声に私は薄れゆく意識を戻した。
「…おい、ガキ。…無事か!?」
その声に、戻した意識とともに目を開く。
目の前に、先程絶命した巨人…
その巨人を殺した人物…
そして…
ーーバサッ
私がずっと憧れていた。
(…自由…の翼…?)