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進撃の巨人~自由という名の翼~

第2章 出逢いと決意



「…ハァハァ…ハァ。」
(あの角を曲がれば家だ…。お父さんもお母さんも家から避難してきっと無事のはず…!!)

希望とも祈りともする思いで私は家に向かった。

「…!!お父さん!お母さん!!」

そこにはいつもの見慣れた風景などなく、巨人が壁を壊したときに飛ばされたであろう、瓦礫で家が崩壊していた。

「ミユ!!無事だったか!」
「…ミユ…。」
「お父さん、お母さん…。!!お父さん!?お母さんの足が…!!!」
「…あぁ…今助けようとしてるんだが…。」

母は逃げ遅れ、足が瓦礫の下敷きになっていた。

「早く助けなきゃ!!巨人もすぐそこまで来てる!」
「あぁ…。」
二人がかりで瓦礫を退かそうとするが、一向に動く気配はなかった。


「…あなた…ミユ。あなた達だけでも逃げて…。」
「 「!!」 」
「何言ってるんだっ!!」
「そうだよ!!お母さん置いて逃げる訳ないでしょ!?」

「聞いて…。例えここから出られても、私の足じゃ巨人からは逃げられない…。だからあなた達だけでも生きて!!お願い…。」
「そんなの嫌だ!!お母さんを置いていくなんて出来ない!!」

巨人の足音が近づいて来る。

「分かった…。お前の言う通りにしよう。」
「 お父さん!?… 何言ってるの…!?」
「ただし俺もここに残る。」
「「!!」 」
「ミユ。いいか、よく聞け!俺達二人じゃこの瓦礫は退かせない。だからお前が誰か助けを呼んできて欲しいんだ!!」
「でもっ!!」
パシンッ!!
乾いた音と頬への痛みで我に返る。
「迷ってる暇はない!!早く行け!!!」
私は涙を堪え、母を助けたい一心で父の言葉に従った。


「…すまない。ああでもしないとミユだけでも助けられそうになくてな…。」
「…いいえ…。あの娘だけでも…。」
「…すまない…。お前を助けられなくて…。」
「…いいえ…。私の方こそ…ごめんなさい…。あなた…ずっと…愛していますよ…。」
「…あぁ…俺もだ…。」




「…早く、早く誰か助けを呼ばなきゃ…!!お父さんとお母さんが…!!」







(…誰か…誰か…助けて!!!)
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