第8章 適任と責任
近くで口論のようなものが聞こえ、リヴァイ兵長の注意はそちらに向いた。
(…良かったぁ…心臓に悪いよ。でも…何の騒ぎだろ?)
「…何かあったんでしょうか?」
「さぁな…。行ってみれば分かることだ。」
私達は口論が聞こえてくる方に向かった。
近くに行くと、騒ぎの原因であろう二人を中心に人だかりが出来ていた。
「お前が先に文句言ってきたんだろ!?」
「はぁ!?お前の方だろ!!俺に対しての嫌がらせか!?」
今にも殴りかかりそうな勢いで、周りの者達も止められずにいた。
「…状況は良くないみたいですね。早く止めないと怪我人が出るかも…。兵長、止めなくていいんですか!?」
「……。」
リヴァイ兵長に指示を仰ぐが、何か考えている様子で返答はなかった。
その間にも、二人の口論は激しさを増していく。
(…兵長…どうしたんだろう。早く止めないと大変な事態になっ…)
「ミユ…。」
「!!は、はいっ!?」
私が思っていたのと当時に名前を呼ばれ、声が上擦ってしまった。
「お前があの二人を止めて来い。」
「えっ…」
何をすべきか…
自分は何が出来るか…
それは突然に訪れた…。
(冗談ですよね?)
(…このやり取りは2回目だ。)
(すみません…。)