第2章 出逢いと決意
…ザァァァーーーーーーッ
(風が出てきたな…)
空を見上げると鳥が2羽はばたいてる。
(鳥はいいな、自由で…。)
私が思ったと同時にそれは起こった。
「ドォォォーーーーーーーーーーーッン」
突然の衝撃に体は宙に浮き、そのまま地面に落とされる。
「いたたた…。今の何!?地震!?」
「そうゆう訳でもないみたいだな。周りを見てみても地震とは明らかに違う気がする。」
「…おい!!あれ見てみろ!!!壁から煙が出てるぞ!もしかして…。」
それはあまりにも突然で…
何の前触れもなく…
ヤツは壁の上から見下ろしていた…。
その日…私達は思い出した
ヤツらに支配されていた恐怖を…
鳥籠の中に囚われていた屈辱を……。
「きょ、巨人だぁーーっ!!!無数の巨人が穴の空いた壁から入って来るぞー!!!」
周りの人たちの悲鳴、泣き声が聞こえる。
「…嘘だろ!?巨人が壁の中に入って来るなんて…。」
「嘘じゃないよ!!見たでしょ!?壁よりも大きな巨人…。さっきの音といい壁に穴が空けられたのは間違いないよ!!」
「こんなとこにいる場合じゃない!!俺達も早く逃げるぞ。」
「「「うん」」」
(気を付けてな。)
(夕飯までには戻るのよ。)
「…!!壁から煙が上がっている方角…。私の家がある。私、お父さんとお母さんを探して来る!!皆は先に行ってて!」
「ちょ、ミユ!!」
皆の叫ぶ声も聞かず、私は家のある方角に走った。
(……お父さん、お母さん…無事だよね…。)