第7章 理由と葛藤
「あの、兵長!!」
「なんだ…?」
前を歩いていたリヴァイ兵長がこちらに振り返る。
自然と視線が交わる。
「…前にも聞きましたが…何で兵長は私を専属精鋭に選んだんですか…?」
「またその話か…。」
若干呆れているように思えたが、私は話を続けた。
「兵長に選んでもらえたのは凄く光栄ですし、嬉しいことです。でも、他にも優秀な人達は大勢いるのに何で私がって…」
「…前にも言ったが…お前を選んだのは俺だけじゃない。エルヴィンや王都での決定事項だ。」
「…そうですけど…理由…が知りたいです。」
私は心に思っていたことを聞いた。
何故自分が選ばれたかの理由を…。
「そのうち分かる…。」
「そのうち…ですか…。」
答えは何となく分かっていた。
自分が何かしらの理由で選ばれたことを。
それが実力や経験ではないことを。
だから不安だった…。
その理由に応えられるかが…。
(そのうちって…いつですか?)
(そのうちはそのうちだ。)
(…早口言葉みたいですね。)