第6章 専属と配属
ーリヴァイsideー
壁外調査から帰還した直後に、俺はエルヴィンに呼ばれていた。
(壁外調査から戻ったばかりだぞ…何の用だ…?)
ーコンコン
「…俺だ。」
「入れ。」
部屋に入るとエルヴィンは書類に目を通していた。
「…エルヴィン、何の用だ…?」
「あぁ、実はな…」
エルヴィンは書類から目を離し、こちらに視線を向けた。
「…リヴァイに専属の精鋭をつけようと思うんだが…。」
「!!!…俺の専属精鋭だと…?」
「そうだ。以前から考えていたことだが…お前自身一人よりも誰かしら付いていた方が動きやすいこともあるだろう。連絡係りもスムーズに行くと思うが…リヴァイ自身はどうだ?」
「………。」
(…確かにエルヴィンの言うことは一理あるな。)
「まぁ無理にとは言わない。…これが専属精鋭の候補書類だ。」
エルヴィンから書類を受け取り中身を確認した。
(…悪くない人材だな…。)
ある程度見終えた所で手が止まった。
「おい、エルヴィン…。何で新兵も混ざってやがる…。お前…何考えてるんだ?」
「…これは俺の意見だが…その新兵を候補に入れたのは、これからの可能性だ。」
「…可能性だと…!?」
「あぁ…後は俺の勘だ。」
「……。」
(…エルヴィンの勘は昔から当たるからな…。)
しばらく考え、結論を出した。
「エルヴィン、時間をくれ…。」
「あぁ、分かっている。明日の王都収集までに決めてくれ。」
「あぁ…分かった。」
俺はエルヴィンから書類を受け取り、その場を後にした。
(………。)